2015年10月12日月曜日

ローマの信徒への手紙7章

ローマの信徒への手紙7章です。ここでは律法(掟)と罪の関係が語られます。「わたしたちが肉に従って生きている間は、罪へ誘う欲情が律法によって五体の中に働き、…命をもたらすはずの掟が、死に導くものである…」本来正しく善いものである律法(戒律)が死をもたらすのは、自分の中の罪が「自分が望むことを実行せず、かえって憎んでいることをするからです。」在るべき姿になろうという思いは、そうなれない自分の弱さをかえって際立たせます。だめな自分であるという悔恨は、それでも頑張ろうとする自分とますますだめになろうとする自分という深刻な分裂を生みます。まるで、同じ強さの力を持った子鬼たちが自分の中で争っているようで、それは全部自分なのだから、いつまでたっても決着がつかず、ただ心は疲れ倦んでしまいます。なんとかしようと力むのを止めた時、自縛の綱はするりと解けるでしょう。分裂した惨めな自分をそのまま差し出した時、自分の彼方にある風景が見えます。

♪こころの嘆きを 包まず述べて、などかは下ろさぬ負える重荷を♪

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