2007年7月16日月曜日

(十一月)

使徒言行録の十八章を読みました。パウロはコリントの街で、ユダヤ人たちに「メシアはイエスであると力強く証しした。しかし、彼らが反抗し、口汚くののしったので」『「あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしは異邦人の方に行く。」』と言います。また、ユダヤ人たちは、パウロを地方総督の前に引き立てていき律法違反を告発しようとして総督にあきれられます。言行録には、このような場面がたくさん出てきます。ユダヤ人たちを説得しようとするパウロとパウロを異端として断罪しようとするユダヤ人たち。ローマから来た地方総督には、地方の一宗教の内ゲバとしか見えなかったでしょう。しかし、ユダヤ教とキリスト教の関係を考えると、この時期は、キリスト教の胎動期とも言えます。パウロはユダヤ教徒が待ち望んでいる「メシアはイエスである」という福音を一番に同胞のユダヤ人に伝えたかったのでしょう。しかし、ユダヤ人たちはそれを異端としか見ません。やがてイエスを救い主とする信仰はユダヤ教を離れ独立していきます。使徒言行録は、無理解なユダヤ人を非難するのではなく、キリスト教の独立の過程を伝えたかったのかもしれません。

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